7つの挨拶

こんにちは。穎才学院教務です。本日はみなさんに質問から。

質問 家庭においてはひとまず「7つの挨拶」ができればとりあえず合格点です。では、その7つの挨拶とは何だと思いますか?

お時間のあるときでかまいません。ちょっと考えるだけでも良いですし、たくさん考えていただいても良いですね。お好きな仕方で、気楽におこたえくださいませ。

いかがでしょう。

7つの挨拶です。

では、こたえです。参りますね。

「おはよう」「いただきます」「ごちそうさま」「いってきます」「いってらっしゃい」「おかえりなさい」「おやすみなさい」

一人暮らしの方は、「おかえりなさい」が「ただいま」になっていたかもしれませんね。一人暮らしだと、帰宅した誰かを迎え入れる経験というのは基本的にありま得ません。どうしても「おかえりなさい」より「ただいま」の方に気がいってしまいますね。

家族で暮らしているとき、家庭が家族の帰りを迎える場所であるなら、「ただいま」より「おかえりなさい」が前景化するのはやはり自然なことです。家族というのは、家族の別の誰かの帰りを待つ存在であるなら、「ただいま」よりも「おかえりなさい」の方が口にされる回数の多い言葉なわけです。「ただいま」は自分の帰宅の回数だけ、「おかえりなさい」は自分以外の家族の人数にあわせて、その帰宅の都度、口にされる言葉であるのです。

7つの挨拶のなかに「ありがとう」が入ると予想した方もおられるでしょうね。たしかに「ありがとう」って大切です。でも「ありがとう」は大人にならないと言えない言葉です。もちろん、子供だって「ありがとう」と言いますが、それは記号的にいっているのであって、きちんと意味を理解して適切な機会の都度「ありがとう」と言えるようになるには、やはり大人になることが必要です。だって、何が「有り難い」ことかを本当に理解するためには、世界の仕組みやつくりを一定程度理解しなければならないのですから。

みなさんはいかがですか。7つの挨拶、口にされていますか。この習慣が定着しているだけで、家族はそこそこ上手く機能するものです。最近、「家庭の調子が変だなあ」「家族同士の仲が悪いなあ」と思われるなら、ご自身や他の家族成員について、7つの挨拶をどれくらい口になさっているか、ぜひご確認ください。「おはよう」と声をかけたのに、返事が返ってこないとか、「いってきます」と言っているのに、誰も「いってらっしゃい」と言って送り出してくれないとか、反対に急に玄関で「ドタバタ、バタン!」と音がして、誰かが黙って出かけて行っちゃったとか…。そういうことが確認されるなら、それは気を付けた方がいいと思います。

以前、あいさつがどうして大切なのか、その子細を論じてみました。

「あいさつをしないとどうなるのですか?」

あいさつをするというのは家族が成立するための十分条件であると言われます。

親子であれ配偶者であれ、「何を考えているのかよくわからない」ままでも基本的なサービスの供与には支障がないように親族制度は設計されている。
成員同士が互いの胸中をすみずみまで理解できており、成員間につねに愛情がみなぎっているような関係の上ではじめて機能するものとして家族を観念するならば、この世にうまくいっている家族などというものは原理的に存在しない。
原理的に存在しえないものを「家族」と定義しておいて、その上で「家族は解体した」とか「家族は失われた」というのはまるでナンセンスなことである。
変わったのは家族ではなく、家族の定義である。
誰が変えたか知らないけれど、ほんらい家族というのはもっと表層的で単純なものである。
成員は儀礼を守ることを要求される。
以上。
である。
それを愛だの理解だの共感だの思いやりだのとよけいな条件を加算するから家族を維持することが困難になってしまったのである。

(内田樹「そろそろ春だけど」による)
内田樹の研究室へ

学校でも塾でも、そういった「儀礼」が大切にされるべきです。その方がその場所で子供が成熟する確率が高まるからです。

私が通っていた洛南高校・洛南高校附属中学校では「おはようございます」「いただきます」「ごちそうさまでした」「さようなら」「よろしくおねがいします」「ありがとうございました」「失礼します」「失礼しました」の挨拶が徹底されていました。廊下で先生とすれ違う時には「会釈」をするようにとも徹底して指導していいただきました。ぼくは、洛南に通うようになって初めて、「会釈」という言葉の意味を知りました。また「いただきます」と「ごちそうさま」の意味上の違いについても、丁寧に教えていただきました。私たちは「いただきます」は食材に姿を変えた生き物たちへの感謝を表わす言葉、「ごちそうさまでした」は食事を準備してくださった方への感謝を表す言葉であると理解しています。ですから、今でも、塾にお弁当を届けてくだる洋食屋さんのご主人や女将さんに対しては、食事前に「いただきます」ではなく「ごちそうさまです」と申し上げます。

そういう挨拶をするということは、私たちが社会で他の誰かと生活していくときにとても大切なことがらです。他者からの挨拶に応答したり、他者の立ち居振る舞いに対して挨拶をもって応じたりするというのは、世界を構成する他者と私たち自身とがきちんと結びついているという証のあらわれだったり確かめだったりするのです。

ですから、お子様の学習がはかどるかどうかという点だけをとって考えても、お子様が他者からの挨拶に応答できる方であるほうが、他者の立ち居振る舞いに挨拶で応じることができる人である方が、断然、学習の成果が上がりやすいと言えるわけです。

だって、学習というのは、学習者が世界と結びつくという作業なのですから。

子供の成熟の度合いを高めたい、子供の幸せのために貢献する教育をしたいとお考えの学校さん塾さんには、あいさつの徹底をおススメいたします。

あ、でも「あいさつしないやつはうちの生徒じゃない!」みたいな他罰的姿勢では全く意味がありませんよ?(笑)「君が代が歌えないヤツは非国民だ」と怒鳴り散らす、戦中の町内会長さんじゃないんだから(笑)

学校や塾の進学実績だけを考えても、あいさつをしない学校・塾より、大人も子供もきちんと気持ちよくあいさつができる学校・塾の方が実績は上がります。絶対に。

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