こんにちは。森本新芽です。唐突ですが「宮崎アニメ」についてのお話です。
ある生徒さんから「好きなジブリ作品はありますか?」と質問されました。
森本はそれに対して『天空の城ラピュタ』と『ハウルの動く城』が好きだとお答えしました。
すると「なぜラピュタとハウルが好きなんですか?」と続けて問われました。
ほう…
興味深く感じられたので、以下、即興で回答します。どんな答えになるかな。今、この時点で全くわかりませんw
自分自身以外の何かのために頑張る物語だからだと思います。
はい。
「自分自身以外の何か」というのは他者のことです。他人のことですね。
他人は自分ではありません。当たり前ですね。
ところで、私たちはどんな時に大きな力を発揮するのでしょう。
突然、災害にでくわして死にそうになったときでしょうか。
一発、ルーレットで大金をかけて、大儲けできそうなときでしょうか。
正直、賭け事に関する経験がほとんど皆無なので、後者についてはよくわかりません。想像もできません。
しかしながら、前者については、少し想像できます。
災害などに出くわして死に瀕したとき、私たちがあきらめずに生き延びようとするなら、
それは私たち自身でない誰かのために生き延びようとする、そういうことがあるのではないでしょうか。
『天空の城ラピュタ』は少女と少年の運命的な物語です。
少女にとって「運命」というのは、「トゥエル・ウル・ラピュタ」(真のラピュタ王)をめぐる血筋とラピュタの科学技術の結晶としての「飛行石」に関する、選ばずに引き取ってしまうしかなかった運命でした。
少年にとって「運命」というのは、ある日、突然に少女が「空から降ってきた」ということと、父親がラピュタを偶然に見つけてしまうにいたる優れた(しかし不幸なことに世の中に認められなかった)探検家であったということから始まる「運命」でした。
二人とも自分自身のためだけに動いたのではありません。それは映画を観るとよくわかります。自分たちの命を他の何かのために投げ出す、そんな場面が映画の中には何度もありました。
『ハウルの動く城』もやはり少女と少年の運命に関する物語です。
この物語の場合、
少女にとっての「運命」というのは、うっかり他よりもやや聡明に生まれてしまったために引き受けざるを得なかった生きにくさと結びついていました。少女は、その「生きにくさ」のあまり、自身の姿を老婆のそれに変えてしまいます。
少年にとっても「運命」というのは、他よりも優れた力と才能を帯びて生まれてしまったことに係るものでした。少年はうっかりと悪魔と契約してその心臓を悪魔の依り代としてさしだすに至り、より一層、複雑な運命に取りつかれてしまいます。
ハウルもソフィーもお互いに相手のためにその力を費やします。その姿は美しいものだと森本には感じられるのです。特に魔法使いではない、一見すると非力に見えるソフィーがその力をハウルなどのために尽くす姿の美しさには観るたびに圧倒されます。
どうでしょうか。
自分自身のためではなく他者のために力を尽くす物語、
そんなお話が森本は好きなのだと思います。
それは社会的で、人間にとってとても大切なお話だと思います。
はい。
ご質問、ありがとうございました。
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