和牛のお重

こんにちは。なめこです。

きよしが出張旅行から帰ってきました。富山県にいるお友達のお店を手伝いにいっていたようです。

さて、自宅に帰ってきたきよしですが、牛丼を食べています。ちょっと高級な牛丼のようです。きよしがお家で店屋物の牛丼を食べるのは珍しいので、どうしたのかと聴いてみました。

ははーん、事情はこういうことでした。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策で、政府与党内から商品券の「お肉券」の発行が検討されているそうです。

自民党は政府の経済対策に向けた提言で、訪日外国人の激減を受け、和牛などの肉の需要が落ち込んでいることから、商品券として「お肉券」の発行を検討しているという報道がありました。

きよしはそれを帰路の機内で知り、いわく言いがたいイライラに囚われたそうです。

政府与党や自民党の政策の適否はきよしだけが判断するものではありません。しかしながら、きよしは「肉だけ食ってる場合じゃないだろう」と心の中で悪態を付かずにはいられなかったと言うのです。

新型コロナウィルスの感染拡大が深刻になってから、きよしはずっと弱い立場の労働者や中小あるいは零細の店舗・企業で働く仲間たちの心配をしてきました。新型コロナウィルスの感染防止が重要なのは言うまでもありません。しかし、その一方で、社会情勢の変化により弱い立場の人たちやお店・企業から、じわじわと身体中に毒が回るように、生活や経営が徐々に苦しくなっています。

きよしは自分自身の仕事をしながら、できる範囲で仲間たちの支援を続けていました。きよしはプログラムができたり、システムのデザインができたりします。そういった能力を生かして、仲間たちの仕事の支援をこつこつと続けていたようです。今回、富山県にまで出張に行ったのも、経営が苦しくなり始めた仲間の経営している旅館の仕事を手伝うためだったと言っています。

ぼくも音楽家や俳優の仲間たちのことがとても心配です。ぼくの仲間が所属しているオーケストラは楽団存続の危機に瀕しています。ついに今日、インターネットを利用した募金・寄付募集の活動を始めました。ぼくも少しずつお金を出して仲間たちの支援をしています。実に微々たる金額ですが、少しでも役に立ちたいのです。彼らはいつもぼくたちの芸術的生活を支えてくれています。だからこそ、ぼくは彼らの活動を支援したいと思います。

きよしもぼくのそういった考え方に賛成してくれています。ぼくたちは別々に自分たちのお金を管理していますが、きよしも少しずつ音楽家や俳優たちの支援に協力してくれています。

でも、きよしは言っていました。

ぼくたちのような市民による資金的支援だけでなく、国が音楽家や俳優のような自由業の芸術家たち、経営の危機に瀕している中小・零細の企業、弱い立場のさまざまな労働者たちに積極的な資金供与をすべきであると。

お金を貸すだけではなく、現金を給付すべきだと言っていました。そうでないなら、各種納税の免除や家賃の保証をすべきだと言っています。全国的に国民全員に対して現金給付をするのは再分配の機能を逆進させるので不適切だが、低所得者への現金給付は有効である、同様に全企業一律の法人税や所得税の納税免除はダメだが、中小や零細企業に対してはそういった対応が要るというのがきよしの考え方です。

ぼくも賛成です。

もちろん、ぼくたちの意見が確実に正しいと言えるわけではありません。ただし、ぼくたちはそれぞれ主権者としてぼくたちの社会的生活について考える権利と責任があると思います。

それが民主主義というものではないでしょうか。

「偉い人」がいて、そういう人たちが政治をしているのではありません。

私たち国民はひとりひとりが主権者です。私たちの生活や私たちの仲間の生活の安寧が脅かされているとき、私たちはそのことについて考え、対応する権利と責任を有しています。

丸山真男先生の文章をぼくは前に読みました。そういった権利はただ有しているだけではダメで、権利を行使していかなくてはならないのだと丸山先生は説いていました。

その通りだと思います。ぼくは今度の選挙で主権者としてしっかりと権利の行使をするつもりです。そのために今、社会的なことがらについて充分に調べ、考えたいと思っています。

きよしもそれと同じようなことを考えているはずです。そんなことを考えているきよしですから、政府与党が「お肉券」の発行を検討しているというニュースを知ったとき、手当ての仕方はそうではないだろうという曰く言いがたいイライラに囚われてしまったのだと思います。

きよしは羽田空港に帰着してから、むしゃくしゃして、羽田空港にある吉野家さんで売っている和牛のお重をテイクアウトしてきたのだそうです。

「そんなに和牛が残っていると言うなら、少しでもぼくが食べてやる!」

そんな気分だったのだと思います。

きよしはちゃんとぼくの分のお重も買ってきてくれました。ありがとう。

ぼくもそのお重を食べながら、ぼくの仲間たちとぼくたちが今の困難な状況を乗り越える手立てについて改めて考えてみようと思います。

具体的な方法についてはまだ充分に考えられていません。しかし、大切なことは協力することだと思っています。

「他者とともに、他者のために」

これはぼくたちのお家の近くにある、ある大学のポリシーですが、そういったことが今みたいなときには大切だと思うのです。

和牛のお重、おいしい。

きよし、買ってきてくれて、ありがとうね。

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