サックスとパエリア

こんにちは。なめこです。

12月になりました。ぼくたちのおうちの近くではクリスマスのイルミネーションやクリスマスツリーが年の瀬の雰囲気を醸し出しています。みなさん、お変わりはありませんか。

今年、台風や大雨で家が壊れたり水があふれたりしました。住む家を失ったり生活の基盤である畑や職場に大きなダメージを負ったりした人たちは少なくありません。ぼくときよしの友達や仲間たちにも、ねぐらが水浸しになったり、生活するうえで大切な場所がヘドロだらけになったりして、困っている動物やぬいぐるみたちがいます。人間たちの復興には人間社会における公的支援が重要な場合が多いと思います。しかしそれだけで充分な復興ができない場合もあるでしょう。そういった復興の仕事は辛く、長期に及ぶものになるものです。ぼくは友達や仲間たちが寒い冬を温かく、少しでも穏やかな気持ちで過ごせるように願います。年の瀬の街を歩きながら、ぼくはそんなことを考えることが多くなっています。

さて、今日はぼくたちの生活についてのお話です。

ぼくのパートナーであるきよしは料理をするのが好きです。

ぼくたちパペットも食事をしなければ生きていけないのですが、うちではきよしが料理をしてくれることが多いので、ぼくはおうちで美味しい食事を食べることができます。きよし、ありがとう。

とは言え、きよしはぼくに食事をさせるためだけに料理をするのではありません。

きよしは考えるために料理をすることがあるのです。

仕事やプライベートで考える必要が出ると、きよしは料理をします。この前はパエリアをつくっていました。

予め砂抜きをしておいたあさりを鍋で茹でます。お鍋とあさりの面倒を見ながら、きよしは頭の中で考えています。その日は仕事上の問題について考えていたようです。

あさりがお鍋の中で充分に口を開けたら、あさりは引き上げ、煮汁にサフランを加えます。

次にフライパンを取り出し、油をしいて、やはり予め下処理しておいたエビ・ホタテを入れて、軽く塩をふって炒めます。きよしはそれをしながら、問題の発生原因を特定しているようです。きよしは、炒めの仕上げに白ワインで香りづけをし、できあがったものをフライパンからパッドの上に取り出しました。

その後で、きよしはパプリカをこんがりするまで炒め、用意したミニトマトの半分くらいを使ってピューレを作ります。ズッキーニもさっと炒めておきます。そういった作業をしながら、きよしの頭の中では、特定された今回の問題の発生原因を手がかりに、同様の問題が起きる可能性を下げる方法が組み立てられているようです。

最後にまたフライパンを使います。オリーブオイルとにんにくを炒めて、いい香りがしてきたら、みじん切りにしておいたたまねぎをしんなりするまで炒めます。ときどききよしは思案顔です。どうすれば問題発生のリスクを減らせるか、職場の具体的条件について勘案しながら、考えているのでしょうね

たまねぎを充分に炒めたら、トマトのピューレとお米をフライパンに加えます。お米が透き通るくらいまでそれを炒めるのです。それに塩コショウを適量加えて、最初に用意したあさりの出汁を加えて、煮込みます。

きよしはフライパンのお世話をしながら、視線を宙に漂わせていました。そろそろ問題解決のための仮説が得られるのでしょう。

あさりの出汁がグツグツと煮えてきたら、それに炒めた魚介類とパプリカ・ズッキーニ、ミニトマトのピューレと残りを入れて、フライパンに蓋をして、仕上げの蒸し焼きに取りかかるようです。

弱火で30分ほどだったでしょうか、きよしはフライパンの様子を気にしながら、椅子に座って水を飲みながら考え事をしています。そしてきよしが「よし」と声を上げて肯いたとき、ちょうどきよしが作ったパエリアはできあがりのタイミングをむかえたのでした。

フライパンの蓋をあけると、パエリアのおいしそうなにおいがキッチンとダイニングに広がります。わーい。今夜の食事もとても美味しそうですー。

ぼくたちはできあがったパエリアを簡単なつけあわせといっしょに二人で食べました。

きよしは気になってい問題の解決の目途が頭の中でついたようで、パエリアを食べる様子は満足そうに見えます。

このようにきよしは、考え事をするときに、お料理をする習慣があるのです。

適切な手順でお料理をするのは、きよしにとって考え事をするのに丁度良い仕方なのだと思います。

ぼくは毎週どこかで楽器の演奏をするようにしています。お家でギターを弾いたり、お店に置いてあるアップライトピアノを触ってみたり、機会があるときはお友達のバンドに混ざってサックスを吹いたりするんです。

ぼくはミュージシャンではありません。そのため、ぼくの音楽は人に聴かせてお金を取る類のものではないのです。ただし、ぼくは音楽を演奏することで、頭の中の悩み事がすっきりするように感じたり、身体の中のつっかえが取れる気がしたりするのを経験します。

それは単純なストレス発散なのかも知れませんし、音楽的表現をすることでぼくの中の何かの作りが変化するからなのかも知れません。

いずれにしても、ぼくにとってそういう作業はとても大事なものだということをいつもその度に確認しています。

おもしろいのは、ぼくが悩み事や身体の不調で苦しんでいる時に、音楽の演奏をしようと必ずしも思わないことです。苦しいときは苦しいのです。とてもじゃないけど、音楽の演奏どころじゃないこともしばしばです。

しかし、何かの拍子に友達に誘われて楽器を吹いたり、お店で気まぐれにピアノを触って何かの曲を弾き語ってみたりすると、その後で身体や心がスッキリと気持ちよくなるのを感じます。

ほんとうにおもしろいものです。

私たちにとって思考は大切ですが、何かの具体的な行為がそれを下支えしたり、その上での問題を解消したりするのだと思います。

明日、ぼくは楽器を演奏するつもりです。とても楽しみです。

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