きよしとアポロ

こんにちは。なめこです。11月になりました。旧暦ではもう冬です。ぼくたちが暮らしている東京都心も朝方などは寒くなってきました。みなさんはお風邪など召していらっしゃいませんか。季節の変わり目です。お体にはお気をつけくださいね。

また、10月12日から13日にかけて日本各地に台風19号が被害をもたらしました。ぼくの友達も住処が壊れたり、仲間が行方不明になったり、たいへんに辛い思いをしています。ぼくときよしはここ5日間くらい、それぞれお友達のところに行って、壊れたお家のお片づけを手伝ってきました。行方不明になった仲間のことはたいへんに心配ですが、帰りを待つしかありません。まだまだ辛い時間が続きます。こういった戦いは辛く地味な長期戦です。ぼくたちはお片づけの手伝いで泥だらけになってしまいました。お家に帰る前に自分たちで簡単に身体の汚れを落として、お家に帰ってから森本先生にお願いしてきれいに洗ってもらいました。ぼくたちが汚れても洗えばきれいになるなら良いのです。問題は喪失されて取り戻せなくなってしまったものごとです。そういったものごととの向き合いもまた長期戦になりそうです。みなさんもそれぞれ出来る仕方でのご支援をよろしくお願いいたします。森本先生はふるさと納税の制度を利用して、少しでも被災地にお金が行くように工夫すると言っていました。今年はそういう人が例年より多く出てくるかも知れませんね。

さて、ここからはきよしが昨夜みていたTV番組の話です。

今年は2019年です、1969年にNASAの宇宙船アポロ11号が月面に着陸し、船長のアームストロング氏とパイロットのオルドリン氏が人類ではじめて月面に降り立ってから、ちょうど50年後の年にあたります。

アポロ宇宙船の月面着陸の話を知っている方は今でも多いと思いますが、11号の月着陸はもう50年も前の話になるのですね。

きよしが観ていたのはアポロ計画において11号が月面着陸を果たすまで、科学者や技術者のどういった努力や工夫があったかを伝える番組でした。

その中できよしが特に注目していたのがアポロ計画におけるコンピューターとソフトウェアの利用です。

コンピューターは今の私たちの社会生活に欠かせないものになりました。パペットのぼくたちも毎日コンピューターを利用しています。今、ぼくはコンピューターを利用してこの文章をタイピングしていますし、きよしはついさっきスマートフォンを持ってお気に入りのお弁当屋さんにお買い物に行きました。そのお弁当屋さんではきよしがスマートフォンに登録した電子マネー決済のためのアプリケーションを利用して支払をすることが可能です。(きよしはぼくのお弁当も買ってきてくれるかな。)

1962年ケネディ大統領(当時)がアメリカ合衆国ヒューストンのライス大学で

We Choose to go to the Moon.

というフレーズで有名な演説をしました。アポロ計画は1960年代中の人類の月到達および地球への帰還を目標に進みだします。

その目標は1969年7月に実現するのですが、その実現の鍵になったいくつかの科学技術がありました。

そのひとつがアポロ計画におけるコンピューターとソフトウェアの利用であったと番組は説明しています。

1970年代の中ごろになると、アメリカ合衆国の東海岸と西海岸とでコンピューターやソフトウェアの個人的開発が始まります。パーソナルコンピューター(パソコン)の誕生です。

上の動画は1990年代にビルゲイツが1970年代中ごろのパソコンについて説明しているシーンを含んだものです。

ビルゲイツはこのパソコンの元祖みたいな機械に、パソコンを動かすための基礎的言語となるソフトウェアをインプットします。そのソフトウェアはBASICと名付けられましたが、BASICは上の動画のように細長い紙に穴をあける仕方で利用されていたのです。

このようにして記録された人間からコンピューターへの命令文をプログラムコードとかソースコードとか言います。

アポロ計画の場合、地球から38万kmも離れた月まで宇宙船とそれに乗った宇宙飛行士を運び、帰りには月の石も船内に抱えて宇宙飛行士を全員安全に地球まで連れ戻さなくてはなりません。その際にNASAは月のすぐ近くまで月着陸船を運ぶ母船と月着陸船とを分離・合体して運用する方法を選びました。それがもっとも軽量かつ確実にミッションを遂行できる方法だと判断されたためです。

その場合、月着陸船の月面への着陸と月を離脱した着陸船の一部と母船とのドッキングの確実性および安全性が重大な問題になりました。母船は月の周りをものすごいスピードで飛んでいます。月を離脱した着陸船のスピードもとても速いのです。それらのドッキングは、喩えて言うと2つの別の方向から打ち出された大砲の弾を空中で合体させるような難しい作業です。

アポロ計画の宇宙飛行士として選ばれた人たちは、当時のアメリカの空軍出身のエリートパイロットばかりでした。しかし、そういったパイロットの技量だけをあてにしてミッションを遂行するのは困難と言わざるを得ませんでした。

別の方法も考えなくてはなりません。そこで利用されたのがコンピュータとソフトウェアだったのです。

NASAは専用のコンピューターに専用のプログラミングを施したソフトウェアを載せてアポロ宇宙船の航行をガイドする方法を採用しました。

この決定に当初は多くの宇宙飛行士たちが賛成的でなかったと言います。エリートパイロットである宇宙飛行士たちのほとんどは自身の手で宇宙船を航行させることに強い自負があり、またアポロ計画のようなミッションにおけるソフトウェアの利便性や重要性を充分に理解していなかったためだと番組は説明していました。

ところが、そんな多くの宇宙飛行士たちの理解をあらためる転記がおとずれます。アポロ8号の実験的宇宙飛行中に宇宙飛行士の単純なミスで宇宙船の宇宙での位置の記録がオールロストするという緊急事態が発生してしまいます。宇宙船を制御するコンピューターシステムはその時点で座標系データを失ってしまったので、コンピューターによる宇宙船の制御システムは停止させなくてはなりません。みんなびっくりしました、エリートパイロットがそんな単純なミスをするなんて。幸いにしてアポロ8号はパイロットたちによる手動のプログラム入力でコンピューター制御のシステムを回復することができました。

さあ、ここが今日のお話の肝心なところです。

このアポロ8号の緊急事態を経験してNASAのスタッフや宇宙飛行士たちは

① 人間の活動をコンピューターが支援することの意義と重要性、
② コンピューターの活動を人間がプログラミングすることの必要性と重要性

といったことを理解したのだと思います。

コンピューターの活動は全て人間がプログラムしなくてはなりません。少なくともアポロ計画のときのコンピューターはそうでした。

今のコンピューターは適切な内容で大量なデータ(情報)を利用して学習するという機械的な仕方をすることが可能ですが、その場合も予め人間が数学の仕組みを利用してコンピューターに与えた学習・理解の仕方しかコンピューターは行いません。

またコンピューターは人間に指示されたプログラムの実行で間違えることがありません。人間は間違えます。

このようなコンピューターと人間の特徴を人間が正しく理解すれば、人間は自身の活動の支援のためにコンピューターを利用することができるでしょうね。

またプログラミングされたコンピューターを利用することとコンピューターをプログラミングすることとは違います。コンピューターのプログラミングには必要な理解と知識があります。そのため誰にでもコンピューターのプログラミングが可能なわけではないでしょう。しかし私たちの社会がコンピューターの利用だけでなく、コンピューターのプログラミングの能力も必要とするのは間違いないと思います。

きよしは文学的なパンダのパペットですが、コンピューターとプログラミングに興味があるようです。

きよしは数学的理解ができる文学的なパペットなので、きっと基礎的なプログラミングが可能だと思います。

きよしはアポロ計画のことを伝えるTV番組を観て、何かコンピューターと人間の生活との関係について思いをめぐらせているようでした。

きよしがお弁当屋さんから帰ってきたら、一緒にお弁当を食べながら、きよしの考えについてお話を聞かせてもらおうと思います。何か考えがあるのだと思います。

きっと素敵な時間になるでしょう。

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