「説得力」をつける方法

みなさんの周りには「この人の意見は通るな」とか「この人は説明がうまいな」という人はいませんか?いわゆる「説得力」がある話ができる人です。そういうひとがもっている能力って何だと思いますか?私にも正解はわかりませんが、私はその能力を「論理力」と呼びたいと思います。

論理力とは

・文章などの物事から論理関係を見出す能力
・論理的思考をする能力
・論理的に説明する能力

という3つが主軸です。これを身につけるにはどうすればよいかと色々な人に聞くと、「まず本をたくさん読め」とか「現代文を頑張れ」とかあたりがよく言われるところかと思います。それはたしかにそうでしょう。しかし本を読むのは人によっては退屈ですし、本を探したりすることも労力だったりして、みんながみんな本を読むわけではないというのが現状です。事実、私は読書が苦手でほとんどしません。まあそれ自体は能力を伸ばすための必要経費ですし仕方ないものかなとは思います。しかし、それを差し引いてもこの方法は一つデメリットがあります。それは、「日本語は難しすぎる」ということです。たしかに今までの話は日本語の会話などを前提にしていました。しかし、何事にも段階というものがあり、基礎から積み上げていく必要があります。その際、日本語という表現方法は多義語、逆に同じ意味を指す言葉などが非常に多く、平易な文章であっても、日本語にとらわれて論理を見出せないということになってしまいます。論理を構築する力は必ずしも日本語である必要はなく、表示形式の一種にすぎません。その表示形式自体が難しいというのは、実際に思考したりする際には時折邪魔になってしまうのです。

 では、どうすればよいのでしょうか。みなさんはこの3つの能力をフルに使う教科を学校で学んでいるのではないでしょうか?それは「数学」です。

 思い返してみてください。特に文章題です。まず問題文が何を言っているのかということを理解するには、文章から論理関係を見出す能力が必要です。これはフィーリングでできてしまう人もたまにいるのですが、そういう人は「天才」と呼ばれると思います。そして、問題の解法を考える際には、論理的思考力が必要になってきます。さらに、過程を含めて解答を書いたり、そもそも証明問題であれば当然自分が考えていることを説明しなくてはなりません。これが、論理的に説明する能力です。誤解を恐れずに強めの表現をすると、「数学を勉強すれば説得力のある話ができるようになる」ということになります。

 数学のいいところは、表現方法が比較的ワンパターンであることです。数学は基本的に解というものがきまっており、その表記方法も大方決まっています。例えば答えが数値であるときは、整数ならば整数で表記しますし、整数でなくても分数や小数など、種類は数えるほどです。数式などもルールがかなりしっかりしています。さらに、思考する際に必要な計算法則や定理などもほとんどが明確な規定がされているものになっています。日本語部分が少なく、日本語より規則がはっきりしている数学部分が多く、その上多くの問題で論理的な思考が要求されていきます。なにより、様々なレベルの問題が膨大な量存在しているので、自分のレベルに合わせた学習をしやすい環境が整っています。まずは計算という比較的思考する部分が深くないものから始め、これが慣れてくるとだんだんと作業に近づいてきます。そうしたらこの計算という道具を使って様々な論理を文章題で構築していくことになります。文章題を難しくする要因は主に複雑な計算か複雑な論理の2つです。前者は結局作業する力になってしまいますので、後者にどれだけ太刀打ちできるかということが、論理力にとって重要です。

 この観点で言えば、数学の勉強で大事なのは「日本語をしっかり読む」ということです。これは日本語部分が短い、難しいといった先ほどの内容と矛盾していると感じるかもしれません。しかし、この短い日本語部分こそが数学の文章題では、そしてその先にある論理力を伸ばすことにおいては非常に重要なのです。

 みなさんは文章題を解くときにどんなことを考えていますか。講師をやっていると、なんとなく雰囲気で公式に当てはめてみたり、やったことある問題になんとなく似ているのでそのやり方っぽくやってみたりしていると思われる生徒をよく見ます。これは問題文を読むときにその字面しか読んでいないことが要因です。解答の根拠を説明するときに「こう書いてあるので」と言うと思いますが、それが「こう(いう文字列が)書いてあるので」というふうになっていませんか。問題集ではできたはずなのに定期試験ではできなかったり、ちょっと書かれ方が違うと混乱してしまったり…ということはありませんか。これではしっかり頭を使って考えている、とはいえません。数式には言葉という側面があり、数学にはコミュニケーションという側面があります。数式という言葉を用いて、数学というフィールドで出題者とコミュニケーションを取る、ということが最終的な目標なんだというイメージを持って、普段から問題にあたってください。数学を作業にしてしまうのはもったいないです。
 
 普段の授業では、先生の論理力やコミュニケーション能力を盗みましょう。問題文を読むときに、先生はどんな言いかえをしているか、どうやって問題文を要約しているかというところに着目しましょう。授業では一人では学習が難しい部分を学ぶべきです。例えば解法なんていうのは問題集の解説を見れば載っています。それを見ればわかるような問題を先生に解説してもらう意義は「先生の問題文の解釈の仕方」や「先生の思考の過程」や「先生の答案の書き方」などを学ぶことにあります。これらをまとめるとちょうど「先生の論理力を学ぶ」ということになるのがわかるでしょうか。
 
 以上が数学を学習するうえで大事な方針になります。細かい技術も大切ですが、こういった意識、イメージ、考え方というところからも数学を捉えなおしてみませんか。そして、数学の学習から社会で役立つ「論理力」を身につけてみませんか。その先には今までとは違った世界が広がっているはずです。

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