大学入試センター試験に臨む受験生へ
【受験生へ】落ち着いて丁寧に自己採点を行いましょう。
2015年度大学入試センター試験は全日程が終了しました。受験生の皆さん、大変お疲れ様です。とは言え、皆さんには「自己採点・各種センターリサーチ申込」という大切な作業が、まだ残っています。結果に一喜一憂するなとは言えません。しかし、落ち着いて丁寧に自己採点を行い、マークミスが無いように慎重を期して各種リサーチの申込を済ませてください。
先人の言葉によれば、「データは直観を裏付けるためにある」のです。ここで「直観を裏付ける」というのは、「身体の感覚を下支えする」と言いかえることができるでしょう。大切なのは皆さんの心構え(=脳内のコンディション)であり、身体に渦巻く感覚(=身体のコンディション)です。不安は不安を呼びますし、絶望は果てしなく深くなりがちです。本年度の大学入試センター試験を受験なさって、ご自身の得点に不安を強く感じる方は、自己採点を終えたら、各種リサーチが返却されるまで、大学入試センター試験および大学入試に関して「情報封鎖」されることをおすすめします。特にネット上の流言飛語は、不安を感じている方の心身を脅かすことはあっても、決して健やかな調子を導くものではありません。繰り返しますが、今は「心と身体のコンディションをととのえる」ことが大切です。美味しい物を食べたり、温かいお風呂に入ったり、睡眠を少し多めに取ったりするのも良いでしょうね。少しだけ、心身の調整のために時間を取って、また試験勉強に臨みましょう。
大学入試センター試験向けての心構え
1 体調管理の大切さ
⇒ 心配りと工夫によって管理可能な身体の調子については、きちんと調整しましょう。
1 眠る時間と起きる時間とを固定する。
2 睡眠時には室内の温度だけでなく、湿度の調整もする。
3 食事前にはきちんと手を洗う。
4 風邪などの対応は、「かかりはじめ」が肝心。医療機関や医薬品を適切に利用する。
⇒ 自身の体質と相談して、ビタミン剤・痛み止め(頭痛薬)・下痢止めなどを鞄に常備しておくとよいのではないでしょうか。
2 「心」とのつきあい方
⇒ みなさんは心と身体の関係をどのように理解していますか。
A 心と身体とは全く別のもので、互いに関わりはない。
B 心と身体は別物であるが、多少の関係がある。
C 心と身体は基本的に同じものである。
D 心と身体は全く同じものである。
⇒ B・C・Dの考え方を採用するなら、1で確認した体調管理によって、少なくともある程度は、心のコンディションを調整することができる、ということになるでしょう。
⇒ とはいえ、「心」というのは人間の意識でコントロールしにくい厄介なものである、という理解が昔から人々の間にはありました。それをフロイトは「無意識」という構造を利用して説明しましたし、仏教では「煩悩」という概念を用いて説明しました。フロイトの「無意識」も、仏教の「煩悩」も、私たちの意識でコントロールできるものではない、という点で理解が共通しています。
⇒ ここで精神医学理論や仏教理論を語るつもりはありませんが、ひとつおすすめしたいのは、私たちの「心」には私たちの手に負えない難物が住んでいることを認めてしまう、という方法です。朝早く起きられないのも、集中力が続かないのも、すぐに他者の評価が気になってしまうのも、私たちが頑張って解決できる問題ではないかもしれません。
3 「理性」について
⇒ 1・2をふまえて、さらに考えを深めていきます。心について考えても身体について考えても、私たちは、どこかしらに欠陥を抱えた存在です。喩えは悪いかもしれませんが、私たちは「どこかしらに故障を抱えた馬」みたいなものです。そしてここでは、それぞれの故障を勘案しながら、いかにうまくその馬を乗りこなすか、ということを考える騎手がいるとします。この騎手が人間の「近代的理性」にあたります。
⇒ 騎手がいないとき、馬はただその辺をうろうろするか、暴走をするかのどちらかです。敢えて言うと、時間や年齢を重ねても成長しない人は、この騎手のいない馬に喩えることができます。確かに、馬は騎手を背中に載せなくても、生きていくことができるものです。実際に私たちの社会(近代社会)は、充分な近代的理性を身に備えていなくても、人間が最低限の生活を営んでいくことができるように設計されています。
⇒ 実際の馬と騎手との関係と違って、私たちの心身と理性の関係においては、理性が目に見えないために、私たちは、心身だけで人間存在が成り立っていると、錯覚しがちです。しかし、実際は違います。心身をきちんとコントロールする理性という存在があるからこそ、私たちは各々の心身の機能を充分に発揮することができるのです。
4 では、どうすればよいのか。
⇒ ここでは、みなさんが一定の「理性」を備えた方であると仮定します。すると、みなさんが諸試験に向かってすべきことは、
1 自身の心身に「欠陥」があることを理解する。「欠陥」のある心身を最大限に活かす。
2 理性で心身をコントロールすることを意識する。
ということになります。
⇒ 1は「無い物ねだりをしない」ということですね。あるいは「持っているもの・身のまわりの物の良さを最大限に活かす」ということでもあります。2は「悪い意味で流れに身を任せる、というのは良くない」ということです。「時間の経過を漫然と待つのは良くない」ということでもありますね。
⇒ 大学入試センター試験に向けて、残された時間は全受験生、一律です。とはいえ、その時間をどのように活用するかは、大きな違いのでるところでしょう。
⇒ ただ、頑張るというのではなく、自分自身の心身と理性との関係を考えに入れた上で、結果の出る頑張りを心掛けたいものですね。
5 試験当日までの基本的な方針
◇ 現実的に達成可能な目標点(1科目+5点程度)を設定して、演習を重ねよう!
⇒ 得意科目をのばすか、苦手科目をのばすか、性格に合わせて選びましょう。
(チェックポイント)
□ 時間配分はうまくいっていますか?
□ 苦手単元はありませんか?苦手単元を放置していませんか?
□ 計算ミス、転記ミスなど、いわゆる「ケアレスミス」を防止する策はありますか?
□ 年明けの塾の無い期間に何を学習するか、決めていますか?準備は出来ていますか?
◇ 集中できる環境を「携帯する」ようにしよう!
⇒ 音楽や香りなどを利用して、どこでも精神的に集中できるように準備しましょう。
(例)羽生結弦選手…携帯音楽プレーヤーで「アニソン」を聴く。特注のイヤホンを使用。
錦織 圭選手…試合前(90~120分前)に食事。グリップテープをまき直しつつ音楽を聴く。
⇒ ルーチンワークを設けて集中力を高める。身体(脳)のスイッチをいれる方法として有効。
◇ 試験会場までの経路・試験会場・試験会場周辺の情報を予め調査・理解しておこう!
⇒ 試験会場までの経路は複数把握しておくのが理想。※「雪用ルート」を開発しよう。
⇒ 試験会場の御手洗いの位置、数を理解しておこう。
⇒ 試験会場を利用している知り合いがいるときは、机のタイプまで分かるかな?
⇒ 試験会場周辺の地理(コンビニ・陸橋など)を把握しよう!
※ 雪が降ったときに備えて、専用の履物を用意しておきましょう。