【2019年3月15日更新】東大生おすすめの英語参考書

英語参考書

こんにちは。穎才学院で高校受験と大学受験の英語を担当している講師です。この度、穎才学院のウェブページの英語の参考書情報を更新することになりました。ここに書かれた情報が少しでも皆さまの英語学習に役立だてば幸いです。

あまりメジャーな参考書は挙げていませんが、世間にあまり知られていない良書を中心に紹介しました。


【単語】

英単語帳は自分のレベルにあったものをチョイスするのが大切です。中学レベルの英単語をマスターできていないのに、高校レベルの単語帳に手を出しても意味がありません。あと、1冊の単語帳を何度も繰り返すことが大事です。コロッと簡単に他の単語帳に浮気をしない。


【中学英単語】
中学生が英単語を覚えるとき、教科書を復習するべきか、単語帳を買って覚えるべきか、講師によって意見が分かれるところですが、時間があるのであれば網羅性の高い単語帳を1冊購入して覚えましょう。また、中学レベルの単語に不安がある高校生もこのレベルの単語帳からやり直したほうがいいと思います。

  • 『高校入試 短文で覚える英単語1900』(シグマベスト)

    改訂前は微妙だったが、改訂してから良くなった。例文は何度も音読し、暗記してしまいましょう。

  • 『システム英単語 中学版』(駿台文庫)

    本家『システム英単語』(駿台文庫)の中学生版。単語の解説が優れている。本家の『システム英単語』とは異なり、コロケーションではなく例文で単語を覚えるタイプの単語帳。例文は何度も音読し、暗記してしまいましょう。

  • 『世界一覚えやすい 中学の英単語1500』(中経出版)

    1つ1つの単語について詳しく解説されている。中3の夏までに通読しましょう。


【中学レベルのイディオム】

  • 『中学新STEP式英熟語500』(受験研究社)

    かなり網羅性が高い。中には学力が低い高校生が知らないイディオムも含まれる。後半部分はおもに国立・難関私立を受験する中学生向けのレベルか?


【高1~2レベルの英単語帳】

  • 『システム英単語 BASIC』(駿台文庫)

    コロケーションで覚えるタイプの単語帳。日→英を繰り返しましょう。Part 2~は本家『システム英単語』と同一の内容。

  • 『フレーズで英単語4500』(浜島書店)

    フレーズで覚えるタイプの単語帳。フレーズを何度も音読しましょう。

  • 『英単語ピーナツほどおいしいものはない 銅メダル』(南雲堂)

    あまり知られていないが名著。日→英のコロケーションで覚えるタイプの単語帳。覚えた単語の復習に使いましょう。


【大学入試標準レベル】

  • 『英単語ピーナッツほどおいしいものはない 銀メダル』、『〃 金メダル』(南雲堂)

    あまり知られていないが名著。金・銀・銅の3部作ある。日→英のコロケーションで覚えるタイプの単語帳。覚えた単語の復習に使いましょう。

  • 『ドラゴンイングリッシュ 必修英単語1000』(講談社)

    ドラゴン桜の英語講師のモデルになった竹岡先生の著作です。単語の語法と語源に詳しくなります。英作文にも役立つ。

  • 『システム英単語 Premium』(駿台文庫)

    接辞ごとに単語が分類してあります。この単語帳をマスターすれば、あなたも形態素分解マスター。

  • 『語源で覚える英単語』(岩波ジュニア新書)

    通読すれば語源について詳しくなる。そんなにマイナーな語彙ばかり収録されているわけではなく、大学入試に役立つ記述も多い。

  • 『でる順 英検準1級 パス単』(旺文社)

    早慶上智などの難レベルの英単語を出題する大学を受験する高校生はこのレベルまで覚えましょう。単語は高3の夏までに覚えるのが大事。


【イディオム】

イディオムはネクステなどの文法の問題集に載っているものだけを覚えて済ませる高校生もいますが、イディオム帳を1冊買って覚えたほうが無難です。受験ではあまり見かけない難レベルのイディオムを出題する大学を受験する高校生は注意が必要です。いずれにせよ、イディオムは前置詞のイメージなどを理解して、成り立ちから理解すると覚えやすいです。

  • 『解体英熟語』(Z会出版)

    言わずもがな。1つ1つのイディオムについて、前置詞を中心に、なぜそのような意味になるのか詳説されている。

  • 『ジーニアス英熟語1000』(大修館書店)

    セクション末尾や後ろにあるまとめ部分が秀逸。駒澤、中央、上智、早稲田などハイレベルなイディオムを出題される大学の対策に有効。

  • 『日本人が知らない英語の必須フレーズ150』(研究社)

    上智や早稲田など明らかに大学受験のレベルを超えたイディオムを出題する大学の対策に有効。語源とイラストを用いて説明しており、なぜ絶版になったのか分からないくらい分かりやすい。収録されているイディオムもよく見かけるものが多い。


【辞書】

基本的には学校で採用された辞書を使えばいいが、語源辞典や大辞典など、自分で取り揃える必要のあるものもある。あと、紙辞書と電子辞書であればできれば紙のほうが良い。

  • 『ベーシックジーニアス英和辞典』(大修館書店)

    中学生は基本的にこの英和辞典を使えばOK。ふつうの中学生用の英和辞典よりも内容が細かい。

  • 『ウィズダム英和辞典 第4版』(三省堂)

    G5(ジーニアス英和辞典第5版)と同じくらい大学受験生にはおすすめの英和辞典。ウィズダムの方が2018年11月出版で新しい。

  • 『コンパスローズ英和辞典』(研究社)

    2018年11月に出版された比較的新しい辞書。

  • 『ジーニアス英和大辞典』(大修館書店)

    etymology(語源)を含め、調べればたいていのことは載っている。ふだんは英和辞典を調べて、それでも分からないときは英和大辞典を調べるといい。某中華系インターナショナルスクールで採用されている電子辞書に収録されている。

  • 『オックスフォード現代英英辞典 第9版』(オックスフォード出版局)

    細かな単語のニュアンスの違いなどを調べるときは英英辞典を参照すると良い。また、ふつうの英和辞典を調べて用例が見つからないときも、英英辞典を参照すれば見つかる場合がある。

  • 『語源中心英単語辞典』(南雲堂)

    形態素の語源について解説されており、形態素ごとに単語もまとまっている。同語源の単語をまとめて覚えたいときに参照すると良い。

【文法書】

【中学レベル】

学校の教科書や塾のテキストを用いて分からない文法事項を調べる中学生がいるが、それは止めて、きちんとした文法書を参照して欲しい。中学生用の文法書の良し悪しは、冠詞やsome, otherなどの記述を比較すれば分かると思う。

  • 『中学総合的研究 英語 三訂版』(旺文社)

    埼玉県の難関私立中高である浦和明の星の英語教諭だった赤池先生(当時は英語科のトップだったらしい)が書かれた。

  • 『パーフェクトコース 中学 英語』(学研)


【高校レベル】

基本的に学校採用のものを使えばいいですが、それとは別に下記のものも手元に置いておくといいと思います。基本的にページ数が多く、情報構造や描出話法など、細かな事項まで説明している文法書がいいと思います。

  • 『Evergreen』(いいずな書店)

    『総合英語Forest』(桐原書店)の続編とされている。どんな事情があって出版社まで変わってしまったんだ・・・。河合塾の墺タカユキ先生が編纂されている。『フォレスト』はあんまりいいと思わなかったが、マア無難といえば無難。

  • 『総合英語be 3rd Edition』(いいずな書店)

  • 『INSPIRE総合英語 三訂版』(文英堂)

    学校採用の文法書の中では一番分厚いかもしれない。

  • 『基礎からの新々総合英語』(数研出版)

    擬似法助動詞have toの認識的用法(~に違いない)まで載っている。

  • 『Best Avenue』(エスト出版)

  • 『英文法ビフォーアフター』

    大学生用の文法書であるが、細かな箇所まで載っており、高校生にも使い勝手が良い。

  • 『ロイヤル英文法』(旺文社)

    言わずもがな。たいていのことは調べれば載っている。

  • 『英文法解説』(金子書房)

    言わずもがな。できれば通読して、載っている英文を何度も音読したい。駿台予備校の田中先生によると、この本を知らない英語指導者は驚きらしい。→https://twitter.com/TNK_KNCH/status/1090421901321691136

  • 『英文法詳解』(学研出版)

    絶版だが、アマゾン、メルカリ、ブックオフなどで入手できる。手元に1冊置いておきたい。


【文法問題集】

  • 『ランダム総点検 英文法・語法 最終チェック問題集』(旺文社)

    必修レベルと難関レベルがある。あまり知られていないが、類書の「ファイナル英文法」よりも出版年度が新しいためこっちの方がおすすめ。

  • 『英文法・語法のトレーニング2 演習編』(Z会出版)

    あまり知られていないが、ネクステなどよりも少し難しめの文法問題を扱っている。

  • 『英語整序問題200』(ピアソン桐原)

    整序問題の問題集。問題数が少ないので取り組みやすい。

  • 『英語整序問題精選600』(河合出版)

    整序問題の問題集。問題数が多い。レベルが3段階に分かれており、1番上のレベルは結構難しい。上智の整序問題の対策に使えるのではないか?

  • 『マーク式基礎問題集英語 語句整序』(河合出版)

    センター第2問B(語句整序)対策の問題集だが、センター以外の対策にも使える。

  • 私大入試もこの1冊で通用する。
  • 『スーパー講義 英文法・語法 正誤問題』(河合出版)

    正誤問題の問題集。早稲田の法など様々なタイプの正誤問題が載っているが、基本的に受験する大学に出題される形式だけを演習すればいい。

  • 『大学入試 早稲田・慶應・上智 直前講習 英文法・語法 正誤問題』(旺文社)

    早稲田の人科(NO ERRORを含む)を筆頭に、かなり難しい正誤問題が並んでいる。早慶上智を受験する人は取り組もう。

  • 『英文法・語法問題パーフェクト150』(代々木ライブラリー)

    絶版になっているが良書。早稲田の人科(NO ERRORを含む)を中心に、かなり難しい正誤問題が並んでいる。

  • 『これならわかる TOEFL ITP テスト 文法マスター440』(旺文社)

    TOEFLの文法問題集であるが、早慶上智を受験する人はやっておくといい。

【英文解釈】

  • 『英文読解入門 基本はここだ!』(代々木ライブラリー)

    『ポレポレ英文読解プロセス』(代々木ライブラリー)を書いた西きょうじ先生の本。高1,2でも取り組める。

  • 『英文解釈のトレーニング 必修編』(Z会出版)

    絶版だが、単語のレベルが落ち着いてて意外と骨のある英文が載っている。高1,2でも取り組める。下線に至るまでのコンテクストが付いているのも親切。

  • 『合格へ導く英語長文RISE 構文解釈2』(Z会出版)

    あまり知られていないが良書。入試標準レベル。

  • 『英文和訳演習 中級編』(駿台文庫)

    コンテクストを押さえないと誤訳するような問題、日本語に直しにくい問題が並んでいる。

  • 『構文把握のプラチカ』(河合出版)

    入試標準レベルだが、きちんと英文解釈の練習をしていないと、意外とコンテクストを見誤り誤訳する。間違いに自分で気が付かない場合もあるので、自分で書いた答案は先生に添削してもらったほうがいいと思う。

  • 『国公立2次対策問題集 英文解釈』(河合出版)

    絶版だがそこそこ良い英文が並んでいる。ここに並んでいる英文は他の解釈本にも収録されている。

  • 『東京大学英語4英文解釈』(河合出版)

    東大志望以外でも使える。東大の問題よりは少し簡単な印象。

  • 『英文和訳演習 上級編』(駿台文庫)

    かなり難しい。コンテクストを押さえないと誤訳するような問題、日本語に直しにくい問題が並んでいる。

  • 『最難関大への英文解釈』(桐原書店)

    かなり難しい。和訳が間違っている箇所があるが、それでもpart2は良い英文が載っている。

  • 『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』(ディスカヴァー携書)

    受験用の本ではないが、気軽に読めるし、解釈の勉強になる。

【長文】

  • 『全レベル問題集英語長文3』(旺文社)

    この値段でCDが付属しているのが良い。CDが付いていないし英文が古い『やっておきたい』(河合出版)はやっておきたくない。『速読英単語』(Z会出版)は良書だが、CDが付属するこのご時勢にCDを別売りにする意味が分からない。ブルジョア相手に商売したいのか?

  • 『システム英語長文』(駿台文庫)

    入試頻出の英文が並んでいる。出版年度も新しいし、信用できる。

  • 『英検準1級 文で覚える単熟語』(旺文社)

    英検の単語帳であるが、大学受験の長文対策にも使える。

  • 『On Campus』(東京大学出版会)

    東大の1つ前の英語の教科書だが、読んでいておもしろい。『教養英語読本』(東京大学出版会)よりも読みやすい。

  • 『灘高キムタツの東大英語リーディング』(アルク)

    評判が悪いが、筆者は意外と面白い問題が並んでいると思う。東大志望以外も使える。

  • 『ディスコースマーカー英文読解』(Z会出版)

    パラグラフリーディングの参考書。パラグラフリーディングは賛否両論だが、筆者は使えると思う。

  • 『横山のロジカルリーディング講義の実況中継』(語学春秋社)

    絶版になってしまったが、いわゆるパラグラフリーディングの参考書。パラグラフリーディングは賛否両論だが、筆者は使えると思う。

  • 『高校生のための論理思考トレーニング』(ちくま新書)

    受験用の参考書ではないが、いわゆるパラグラフリーディングについて解説されている。気軽に読むと良い。『横山のロジカルリーディング講義の実況中継』と同じ著者。

【リスニング】

  • 『究極の英語ディクテーション Vol. 1』(アルク)

    ディクテーションの問題集である。かなり聞き取りづらい問題ばかり並んでいる。

  • 『ゼロからスタートディクテーション』(ジェイリサーチ出版)

    ディクテーションの問題集。かなり聞き取りづらい問題ばかり並んでいる。

  • 『2018年受験用 大学入試問題正解 19 英語リスニング 私立大編[CD]』(旺文社)

    青山学院の英文学科など、過去問のリスニング音声が非公開の大学もスクリプトから音声が再現されていて良い。

  • 『東大入試詳解15年英語リスニング』(駿台文庫)

    駿台が出している東大の過去問。筆者が教学社のものと比較して相違点を指摘したところ、駿台の執筆者であるk先生から「うち(駿台)は受験生からデータを収集し、ナレーターの性別と米英アクセントまでは本番に放送された音声に合わせてある。」とコメントを頂けたので、東大受験生は教学社よりも駿台のものを信用しよう。

【英作文】

  • 『英作文ハイパートレーニング 和文英訳編』(桐原書店)

    基本的な和文英訳の問題を扱っており、高1,2も文法の復習として取り組める。日本女子や学習院の英作文であればこれ1冊で対応できるのではないか?

  • 『竹岡広信の英作文が面白いほどかける本』(中継出版)

    和文英訳と自由英作文の両方に使える。

  • 『ドラゴンイングリッシュ基本例文100』(講談社)

    自由英作文用の基本例文集。様々な大学の和文英訳の過去問の寄せ集め。

  • 『転換発想の英作文』(河合出版)

    あまり知られていないが良書。和文英訳の仕方を懇切丁寧に解説している。

  • 『迷わずかける自由英作文』(河合出版)

    あまり知られていないが良書。自由英作文の書き方を懇切丁寧に解説している。

  • 『宮崎の今すぐかける英作文・自由英作文編』(東進ブックス)

    あまり知られていないが良書。問題が面白い。