「ボーイズ&ガールズ」

10月3日、旧暦では中秋である8月の終わり。もうすぐ、晩秋をむかえる。深夜2時ごろ、甲州街道の歩道から東の空を見上げると、10階建てぐらいのビルの上あたりにオリオン座が見えていた。オリオンは冬の代表的な星座だ。もうずぐ、冬が始まるのである。

昨日は仕事を終えてから、サウナで汗を流し、コンビニでお気に入りのビールを買って、それを飲みながら、馴染みのラーメン屋まで、ゆっくりと歩いていった。

好きなバンドの古いアルバムを聴きながら、秋の夜風に吹かれるのは心地が良い。

ラーメン屋には、マンガがたくさんおいてあるので、それを読むのも楽しみのひとつだ。昨日は「こち亀」を選んだ。頼んだ味噌ラーメンができあがるまで、どうしようもなく子供っぽい「両さん」が巻き起こす大騒動を、秋本先生のテンポの良い筆致で楽しむ。

久しぶりに食べた味噌ラーメンは、ずいぶんと美味く感じられた。満足して、店を出る。それから、30分ほど歩いて、家まで帰るのである。そういうことをしながら、いろいろなことを考えたり、思いを馳せたりするのは、子供のころからの私の大切な楽しみだ。

好きな音楽を聴いて、好きなマンガを読んで、好きなものを食べて、歩いて帰る。ただ、お酒を飲まないだけで、そういうことをするのは私が小学生のころから、ほとんど変わっていないことだった。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの音楽を聴くのも、ずっと好きだ。

一度聴いても、何て言っているのか、わからない日本語や英語のまざった歌詞。それでいて聴いていて心地の良いボーカルとその他のサウンドのまざり具合。それがずっと好きなのである。

2018年9月26日にシングル「ボーイズ&ガールズ」が発売された。そのPVが冒頭のものだ。

主に渋谷で撮影されたのだろう。若者たちの生活が切り取られている。それぞれの生活。それぞれにとって大切な生活の1シーンだと思われる。それらを写したカット群に加えられる、タクシーに乗って、歌詞をくちずさむゴッチさん(後藤正文さん)の様子を写したシーン。そして、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのメンバーたちのセッション。

ゴッチさんはタクシーに乗って、渋谷の街の様子を見ている。そんな風に見える。

渋谷は私もよく歩いた街だ。私が記憶している2000年代初頭の渋谷の街並みやそこを歩いていた人たちの様子と、「ボーイズ&ガールズ」のPVに移された渋谷の街やそこで生活する人たちの様子とは、異なる。

でも、何かが変わらない。そのように感じられてならない。

私たちには大切なものがある。私たちの毎日には大切な生活がある。10年経っても、25年経っても、それは変わらない。

1日が終わって、次の1日が始まる。

済んだ1日も、未だ始まらない1日も、それぞれが思い思いに生きられると良い。

権利と義務は引き換えられるものではなかろう。

私たちはそれぞれ、思い思いに生きる権利を有している。その享有が保障されていると感じるとき、私たちは幸せを感じることができるだろう。それがささやかなものであっても、日常的なことであっても、である。

「ボーイズ&ガールズ」のPVには、そういう幸せが溢れている。

無料体験授業お申し込みはこちら
穎才学院本郷校のご案内はこちら

Comments are closed