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2013年2月22日

古文・漢文をうまく理解する方法。

こんにちは、穎才学院教務です。寒くなったり、すこしだけあたたかくなったり、風邪をひきやすい気候が続きますね。みなさま、おかわりはありませんか。

本日は、「古文とか漢文を読んでいるときに、話の情景がイマイチ頭に浮かばなくて、ストーリーがすんなり入ってこないのは何がいけないんですかね。」という質問にお応えしたいと思います。

確かに、平成生まれの学生のみなさんにとって、古文・漢文は読みにくいものでしょう。読みなれない単語や漢字がたくさんならんでいると思うと、誰だって読んでいてうんざりしてしまいます。

ところで、みなさん次の文章を読んで、どのような情景をイメージされますか。

寒い冬の夜、男は電話ボックスで緊張しながら受話器をとりあげた。たくさんの10円玉を握りしめて。

平成生まれの学生のみなさんは、「何か緊急事態でもあったのだろうか」、「携帯電話が通じないのだろうか」、「災害でもあったのかしら」、などと思われるでしょうか。

一方、昭和生まれ(特に1980年より前に生まれた方)の中には、きっと「男は恋人の家に電話するのだろう」と思われる方がおられるでしょう。もちろん、筆者(私)はそのイメージで文章を書きました。

ちなみに、電話発明以前の時代の方がこの文章を読んだとしたら、きっと意味不明だと思われるでしょうね。

賢いみなさんは、もうおわかりですね。同じ文章でも、時代によって理解が異なるのです。では、どうしてこんなことが起きるのでしょうか。20世紀のはじめに、スイスのジュネーヴで、ソシュールという言語学者が言語学の講義を行っていました。私たちはこの講義の内容を、『一般言語学講義』というテキストを通して、知ることができます。ここでソシュールは「言葉はものの名前ではない」ということを繰り返し説明しているのです。

「ものが先にあって、名前(言葉)があとからつく」というのではなくて、「言葉があってはじめて、ものが存在するようになる」とソシュールは説明しました。わかりにくければ、「ぱみゅぱみゅ」という言葉について考えてみてください。ある女性が先に存在して、そのあとから「ぱみゅぱみゅ」という名前(言葉)がついたのでしょうか。いいえ、そうではないんです。「ぱみゅぱみゅ」という言葉があってはじめて、ある女性が「きゃりーぱみゅぱみゅ」という存在になったのです(現に、彼女は「きゃりーぱみゅぱみゅ」以前から芸能活動をしていらしたそうです)。

私たちは、おおくの場合「原因」と「結果」とをとりちがえます。ここでは、「文章(古文・漢文)の物語世界が先にあって、それが言葉で表された」のではなく、「文章(古文・漢文)があってはじめて、物語世界が存在するようになる」と言いたいのです。

ですから、まず学生のみなさんは、「現代人が文章(古文・漢文)を理解するときに使う物語の枠組みや言葉の法則・言葉の定義を学ぶ」ことになります。例えば、私たちが『源氏物語』を理解するというのは、紫式部が身に付けていたであろう語りの枠組みや言葉の運用法則・言葉の定義を学ぶというよりは、『源氏物語』を解釈する現代人が採用している物語の枠組みや言葉の法則・言葉の定義を学ぶということになるわけです。

お察しの通り、言葉の法則は「文法」、言葉の定義は「辞書の語義」です。では、物語の枠組みとは…。

これを説明するためには、また別の記事が必要なようです。この物語の枠組みを理解しはじめると、すらすら古文・漢文が入ってくる感じがすると思います。

2013年2月20日

村上春樹さんの新刊発表に向けて。〈邪悪なもの〉と〈私たち〉。

こんにちは、穎才学院教務です。2月16日、文藝春秋社が「村上春樹氏 書き下ろし長篇小説の4月刊行が決定しました」と発表しました。

発刊されれば、『1Q84 BOOK3』(新潮社 2010年)以来の新作長編小説となります。

実は私は『1Q84』をちびりちびりと読んでいて、ちょうど次の長編小説が刊行されるころに読み切るように、気を付けていました。

今回の発表で、安心して『1Q84 BOOK3』を読了することができます。『1Q84 BOOK3』を最後まで読んでしまうのは少しさみしい気もするのですが、続編(BOOK4のようなもの)が書かれる可能性も0ではないので、やはり安心して『1Q84 BOOK3』を読了しようと思っています。

『1Q84』シリーズをめぐって、実は以前ある方から、

『1Q84』に出てくる「リトルピープル」とは、いったい何者なのか。

と聞かれたことがありました。その当時は、その方にゆっくりと『1Q84』の世界を味わっていただきたかったので、敢えて適当にお答えしたのですが、そろそろ真面目にお答えしてもよい時期になったようですから、ここで解答をさしだそうと思います。

『1Q84』に出てくる「リトルピープル」は、〈邪悪なもの〉の象徴である、と私は思っています。

内田樹先生によれば、「ムラカミ・ワールドは『コスモロジカルに邪悪なもの』の侵入を「センチネル」(歩哨)の役を任じる主人公たちがチームを組んで食い止めるという神話的な話型を持って」いて、この基本構造は、『羊をめぐる冒険』、『ダンス・ダンス・ダンス』、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』、『アフターダーク』、「かえるくん、東京を救う」のいずれにもみられる、というのです。私は、『アフターダーク』、「かえるくん、東京を救う」、『羊をめぐる冒険』、『ダンス・ダンス・ダンス』、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』、の順番で読了しましたが、確かに〈邪悪なもの〉の侵入と主人公(たいていはありふれた普通の人)たちが静かな戦いを繰り広げる、という形式をとっていると思います。

例えば、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』では「やみくろ」(ハードボイルドワンダーランドの地下に住み主人公と敵対)、「かえるくん、東京を救う」では「みみずくん」(「東京安全信用金庫新宿支店」の地下にいます)が〈邪悪なもの〉の象徴です。

村上春樹氏は、〈邪悪なもの〉のような私たちの生活に闖入するものを、「みみず」のようなやわらかい言葉におきかえて表現するのがとても巧みです。これは村上春樹氏の「説明のうまさ」によるものですが、村上春樹氏ほど説明の上手い作家というのは、私が知る限りでは橋本治氏と三島由紀夫ぐらいのもので、それほどたくさんおられるわけではありません。

『1Q84』に出てくる「リトルピープル」も、〈私たち〉の生活にことわりなく入り込んでくる〈邪悪なもの〉のメタファーです。「ふかえり」は「天吾」とパーティーを組んで、協力して〈邪悪なもの〉を退けるマニュアル(『空気さなぎ』)を編み上げます。また「青豆」も「タマル」とパーティーを組んで、〈邪悪なもの〉と対峙します、命を懸けて。

実際に、私たちの生活においても、理不尽なものごとは突然あらわれ、私たちはそれによって打ちひしがれそうになります。そんなとき、『1Q84』の世界の人々(青豆たち)にとって『空気さなぎ』の物語が、反「リトルピープル」の(すなわち〈邪悪なもの〉に対抗する)いとなみのお手本となるように、物語が〈私たち〉が〈邪悪なもの〉に対抗するいとなみのお手本となるはずです。

傷ついたときには良い物語だけが身体にしみる、と内田樹先生は言っていました。

ぜひ、打ちひしがれそうになったときには、物語を手にとってみてください。

2013年2月16日

李百薬のお話。

こんにちは、森本新芽です。書き下し文と現代語訳をUPいたします。
李百薬のお話.pdf

2013年2月13日

【速報】2013年東京大学足切り点

こんばんは穎才学院事務の三技諒です。


2013年度東京大学(前期日程)第1段階選抜試験の合格者最高点・最低点及び平均点が発表されました。なお、文科一類は第1段階選抜試験を実施しません。


文科一類  −   /    −   /     −  
文科二類 877 / 673 / 762.43
文科三類 873 / 707 / 767.06

理科一類 887 / 574 / 784.42
理科二類 878 / 690 / 762.83
理科三類 884 / 702 / 793.84
(最高点/最低点/平均点)

【出所】東京大学HP



2013年2月 9日

受験勉強のやる気を出す方法。

こんにちは、穎才学院です。寒暖の激しい天気が続きますが、みなさまお変わりないでしょうか。

今回は、新受験生(新高校3年生・新中学3年生)とおぼしき方から、

受験勉強をそろそろ始めなければなあと思ってはいるんですが、毎日ガチでやってないんです…。やろうと思うけど…。思うだけでやらないんです。

なんかやる気を出すいい方法ありますか??

というご質問をいただきました。やる気の出し方について、お悩みの学生さんは多いようですね。今日は、このご質問にお応えしたいと思います。

まず、私たちがやる気になることというのは、どのようなものなのでしょう。

20世紀の賢者、ジャック=ラカン先生はによれば、私たちの欲望をかき立てるものは、「消滅を宿命づけられた企て」です。実は、私たちが尊敬の対象とするのは、「自分の存在が不要となることをめざして」生きている人なのですね。途上国で技術支援をしながら現地の人々が技術を習得して自立することを目指す技術者、弟子に持てる技と知恵のすべてを伝えて弟子の元から立ち去る師、

このような人たちはおのれを「消し去る」ためにそこにいます。

己の存在を切り崩しながら他者に尽くす人は、美しいのです。『幸福の王子様』の物語のようですね。甲子園を目指す球児も、コンクール優勝を目指す吹奏楽部員も、その活動がいずれ終わることを知っているから夢中になります。くりかえします。私たちの欲望をかき立てるものは、「消滅を宿命づけられた企て」です。

ですから、私たちは「安定しているもの」、「いつもそこにあるもの」に対しては欲望しない、ここでは「やる気を出さない」のです。

賢いみなさんは、もうおわかりですね。みなさんが、受験勉強(または勉強)のやる気を出すには、勉強が「消滅を宿命づけられた企て」であることを知ればいいのです。

別の言い方をすれば、こうなります。中途半端に勉強しているから、ダメなのです。いっそのこと、まったく勉強できない状況になれば、どうでしょう。きっと、勉強することの有難味がよくわかります。受験勉強にやる気が出ない方、一度「まったく勉強しない」ということを試みてください。まったく勉強しなくなると、人は勉強したくなります。ほら、大人は学校や大学を卒業するとわざわざお金を払ってまで、貴重な時間をさいてまで勉強しようとするでしょう。

みなさんも、これと同じです。

いまそこにあるものは、いつもそこにあるものではないかもしれません。

いまそこにあるものを、大切にしたいですね。

2013年2月 5日

首都圏大雪予報 受験上の注意点

2013年2月6日は、首都圏で大雪が予想されています。当日に大学受験を控える方たちも、多いと思います。このようなときには、いつもより早く起床して、時間に余裕をもって行動することが大切ですね。それ以外にも、以下のようなことに注意するとよいでしょう。

1、地下鉄や地下道を利用するルートを調べる。
 首都圏の交通機関、都市インフラの構造を考えると、大雪の日には地上の交通機関より地下鉄を利用したり、地上の道路より地下道を通行したりする方が安全です。地下鉄も積雪により、遅延したり運転見合わせとなったりする場合はありますが、有効な選択肢として地下鉄や地下道を利用するルートを調べておきましょう。

2、長靴や防水加工されたブーツを履く。
 雪道をスニーカーや革靴などで歩くと、あっという間に雪が靴にしみこんでしまうことがありますね。足が冷えてしまうと、体力が奪われてしまいます。足元は暖かく保たなければなりません。長靴や防水加工されたブーツを履いて外出されることをおすすめします。

3、会場での待ち時間に備える。
 みなさんが無事に試験会場にたどりつけたとしても、他の方たちが受験会場に到着できない場合には、試験時間が変更されるなどの対応がとられる場合があります。このような可能性に備えて、カイロを持参するなどして身体を冷やさない工夫をしたり、長い時間待機する場合に勉強する道具を準備したりして、待機時間がストレスにならないようにしましょう。

最後に、バスを利用される方たちへ。

4、バスの待ち時間を考慮して、暖かい恰好で外出する。
 試験会場によっては、最寄駅からバス・スクールバスを利用する場合もありますね。積雪が一定以上になると、自動車は徐行運転となります。スクールバスなどを大量に手配している場合も、徐行を強いられるためバス停への乗り入れが渋滞することがあるかもしれません。いずれにしても、外で長時間にわたってバスを待つという可能性に備えましょう。暖かい恰好をするに越したことは、ありません。

受験生のみなさんが、心穏やかに試験に臨めることを願っております。些細な準備により、おもわぬトラブルから身をまもることができるかもしれません。みなさんの試験での健闘を心からねがっております。

穎才学院教務

2013年2月6日(水)首都圏大雪予報への対応について

こんばんは、穎才学院です。明日2月6日(水)は首都圏で約10センチの積雪が予想されています。

穎才学院では、塾生・講師の安全のために授業実施可否の判断について、以下のように決定することにしました。

2月6日(水)15時ごろの板橋区の積雪状況等から判断して、当日の授業実施可否を決定します。
2月6日(水)15時30分に穎才学院HPトップページで授業実施可否を連絡いたします。

よろしくおねがいいたします。

みなさん、明日の天候にはお気を付け下さいませ。


2013年2月 1日

中学受験に失敗してしまったら…。(保護者の方へ)

 こんにちは、穎才学院です。本日2月1日から、首都圏の中学受験が本格的にはじまりました。

 TVニュースでも、開成中学校や麻布中学校の受験に臨む児童の様子が伝えられていました。

 午後に筆者が出勤のため電車に乗ったところ、受験を終えたのであろう親子が何組も見られました。

 そのような親子の様子は、もれなく幸せそうなものでした。中学受験ですから、テストの出来がよくなかったお子様もおられると思います。でも、筆者が見た子どもの顔は、晴れ晴れとしたもので、親子の様子はやはり幸福そうでした。

 なぜなのだろう、と筆者は考えました。おそらく子どもは、平日に親が、仕事を休んだり、家事を休んだりして、自分のために見送りをしたり、自分を気遣ったりしてくれることが、とてもうれしいのだと思います。

 小学6年生になって、自立するようしいられるなかで、やはり子どもは親に甘えたいものなのですね。中学受験をするような子どもは、やはり良い子でいたい子どもたちでしょうし、親のために頑張りたいという気持ちが強いのではないかと思います。

 そんな子どもたちにとって、中学受験というものは残酷な顔を見せることもあって、競争ですから合格する子どもも、不合格になってしまう子どももいます。

 中学受験について行かれた保護者の方は、おわかりと思いますが、受験会場周辺では塾・業者が列をなして「新中学一年生向け」の広告等を配布しています。そういった広告は、合格を前提としないまでも、希望に満ちた中学生活を語ったものがほとんどでしょう。しかし、受験で不合格だった子どもの気持ち、親の不安というものは、とても大きなもので、どうしたらよいのかと途方に暮れるご家族もおられると思います。

 筆者の経験から、お話をしたいことがございます。お子様が不合格だった場合は、保護者の方は焦らず慌てず、まずは時間をかけてお子様を休ませてあげてください。中学受験の不合格体験は、大人の予想以上に子どもにとって堪えるものです。たぶん一生忘れません。ですから、まずはちゃんと休ませてあげてください。それから、他のお子様の結果と絶対に比較をしないことです。中学受験をした兄・姉がいる場合はもちろん、同学年の友達とも結果を比べあうのが子どもですから、お子様は深く傷ついています。まずは、しっかりと傷をいやして次なる飛躍に備えるべきです。

 本HPに、このような質問をもって訪れる方がおられるようなので、勝手ながら意見を述べさせていただきました。みなさまの幸せを心から願っております。無理は禁物です。お子様の幸せを第一に。

 

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